アロエベラ雑学
アロエベラにまつわるお話です
世界で[アロエ]っていうとアロエベラのことって知ってました?
アロエベラとは?
沖縄宮古島のアロエベラ畑
アロエベラはカリブ海に浮かぶバルバドス島を原産地とするユリ科の多年生多肉植物で、ねぎやにんにく等とは親戚関係にあります。
アロエベラの正式学名は「アロエ バルバデンシス ミラー」といいますが、現在では通称「アロエベラ リンネ」という名前で一般的に使われています。ベラとはラテン語で「真実」という意味で、植物学者のリンネが、約500種類あるアロエベラの中で「ベラこそ真実のアロエ」と発表したことに由来されます。ちなみにアメリカの一部の地方ではアロエベラを「True Aloe」と呼びます。
アロエベラの歴史
古代エジプトのミイラと共に残されていたパピルスという書物には、アロエベラが紀元前2000年も昔から最高の薬草として愛用されてきたと記述されています。
クレオパトラはアロエベラの液汁を体中に塗りつけ、その伝説となった美貌を保ち続け、またアレキサンダー大王は兵士の体調維持にアロエベラを携帯させたことは有名なエピソードとして近世に伝えられています。
現在もアロエベラの薬効成分が世界中約2万もの研究者により国際的な研究所、製薬会社にて研究され、国際アロエ科学評議会(IASC)にて様々な成果が報告されております。
これまでアメリカのロス.アラモス研究所やフランスのパスツール社などをはじめとする研究所が、放射能汚染への効果や免疫強化効果などの研究成果を発表していますが、近年ではアメリカにて血中糖度を下げるのにアロエベラは大きく貢献すると発表するなど、アロエベラは大きく話題となりました。しかし、アロエベラはその薬効があまりに多すぎるとされ、まだ存在するアロエベラの薬効を解明するため、研究者達は現在も研究に取り組んでいます。
日本には鎌倉時代に中国からアロエ(キダチアロエ)が伝わり、長い間、ヤケドの治療や虫下しなどに用いられていました。アロエベラが日本で注目を浴び出したのは、ビキニ島沖での核実験の影響を受けた第五福竜丸の船員達が放射能に犯され、その治療のためアメリカ軍がアロエベラを日本に持ち込んだときからです。また、1999年9月に起こった「東海村臨界事故」においてもアメリカ テキサス州が東海村住民のためにアロエベラを寄贈したという知られざる事実もありました。
アロエベラとキダチアロエの違い
アロエというと日本人の方は「あの細いトゲトゲしたやつでしょ?うちの庭にもあるわよ。」とおっしゃいますが、実はそれはキダチアロエがほとんどです。
(左)キダチアロエ (右)アロエベラ
キダチアロエは「木立アロエ」と書くように、まるで木の幹から枝が伸びてい るかのように茎から葉が広がっていることから、そう呼ばれるようになりました。
葉の幅は大きいもので5cm、厚さは1~2cm程です。
これに対し、アロエベラは葉が折り重なるように地面近くに葉が出ているので、 横から見ると逆円錐状に広がっているように見えます。
葉の幅は根元で10cm、厚さは3cm程になります。
意外に思われるかもしれませんが、アロエは花を咲かせます。キダチは11月頃赤い花を、ベラは5月頃に黄色い花を咲かせます。
キダチの根は太く、地中に向かって伸びていきます。ベラの根は逆に地面近く を這うように細い根が伸びていきます。
ちなみにキダチは葉の根元を切って挿し木にするとしっかり根づいて生長することができますが、アロエベラは葉の根元から切って植えても根は出ず、腐っ て枯れてしまいます。
キダチは日本と中国の一部にしか生育しておりません。逆に言えば、ゼリー質 が多いベラには冬の気温が低すぎて凍ってしまうので、中国を渡って日本に伝来するまでに、アロエはキダチのような葉の薄く比較的水分の少ないものに変化 していったと考えられています。
主成分・ムコ多糖体の働き
アロエベラ、キダチアロエの両方にネバネバとしたゼリー(ゲル)分が豊富にあり、このゲルにはムコ多糖体(Mucopolysaccharides)という成分が含まれております。
アロエベラのネバリに
ムコ多糖体が詰まっている
これは細胞と細胞を結びつけたり、関節部や軟骨を形成しています。また、このムコ多糖体は粘性があり、アロエの持つ多くの有効成分の吸収効率を高める作用や免疫強化作用をはじめ、様々な作用をもつといわれています。
このアロエベラのムコ多糖体はキダチアロエと比べ、約10倍の分子量(キダチアロエが約5万の分子量に比べ、ベラは約45万)があります。ですからキダチアロエが皮ごと使うのに対し、アロエベラは皮を除いたゲルだけで充分効力があるといわれております。
ちなみに健康食品で代表的なアガリクス茸や、サルノコシカケ、朝鮮人参、サメ軟骨などにもこの高分子多糖体が豊富に含まれています。
アロエベラ活用法
医者泣かせ」や「医者要らず」昔からアロエは呼ばれていました。それだけアロエは民間療法の一端を担っていたともいえます。
特にアロエベラに至っては、世界中の研究者や製薬会社が、解明し切れていない様々な作用を今も研究しています。
アロエベラを上手に使えば、健康と美容に大きく役立ってくれるでしょう。
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